- 住まい
- 子育て
- 教育
- 移住
- 家族構成:夫婦+子ども5人
- 年代:30代
- 職業:専業主婦
いちき串木野市出身。高校卒業後は県外の大学に進学し、そのまま県外で就職。
結婚を機に宮崎へ移り住みましたが、5年前に子ども2人と一緒にいちき串木野市にUターン。
今回は、いちき串木野市の移住定住相談員・蓑手ゆかりさんにお話を伺いました。
前編では、蓑手さんのこれまでの経歴や相談員になった経緯、現在のお仕事内容をお話いだだきました。
【目次】
「私、当時は地元に息苦しさを感じていて、高校を卒業後は外の世界に出たいと強く思っていました。」
インタビュー中にインパクトのある発言が飛び出しました。
小学生の頃に鹿児島市からいちき串木野市へ引っ越してきた蓑手さん。その時に感じた独特の雰囲気や人間関係がどうにも合わなかったそうです。
とにかく“ここから出たい”という思いを抱えていました。
蓑手さんは、地元・いちき串木野市に抱いていた苦手意識を正直に語ってくれました。
「ここから出るんだ」という思いは揺るがず、高校卒業後は県外の大学に進学し、そのまま県外で就職。地元とは距離を置いた生活を送っていました。
結婚を機に宮崎へ移り住みましたが、5年前に子ども2人と一緒にいちき串木野市にUターン。
「不本意に出戻る形になっちゃいました」と蓑手さん。

「もう戻らない」と決めていたはずの故郷・いちき串木野市に帰ってくるという選択をしたのには、お子さんの存在がありました。
現在、シングルマザーとして5歳と9歳の2人のお子さんを育てている蓑手さん。
「戻ってきたら、うちの子たちがいちき串木野市のことを大好きになったんですよ。ただ、子どもが大好きだと言っている一方で、この町に対して複雑な気持ちを抱く時もありました。」
しかし、そんな思いとは裏腹に、お子さんたちは地元の自然や環境にすぐに馴染んでいきました。

そして蓑手さん自身も、子育てをする中でこの土地の魅力に気づいていったそうです。
親の立場になって感じているのが「地域の方が子育てに協力してくれることのありがたさ」で、自然が身近なところにあるもの大きな魅力のひとつだと語ります。
蓑手さんのお子さんたちは、海や川が大好き。保育園や小学校で海や川に行く機会があるのも、子どもたちにとってはいい環境だといいます。
また、お子さんに健康上の配慮が必要なため、人の目が届きやすい小規模校に通わせています。
子どもの健康を考えた上でも、地域の温かいまなざしとサポート体制は、何にも代えがたい安心感を与えてくれました。
さらに、子育て世代を応援するための「3つの無償化」(学校給食費・子ども医療費・保育料)もありがたい制度だと痛感しています。



子育てはしやすいと感じていますが、一度外に出たからこそ見える地元の課題もありました。
「地元での人間関係の独特さを経験したことで、自分に合った働き方や居場所を考えるきっかけになりましたね。」と、正直に語ってくれました。
自宅でリモーワークを始めますが、人と関わり、地域に寄り添う働き方を望むようになったタイミングで市役所の求人と出会います。
リモートワークの際に使うパソコンのことで相談に乗ってもらっていた方から勧めでした。
実際に市役所で働くようになって、約8ヶ月。
まだ探り探りですが、仕事とプライベートをそれぞれ大切にしている方が多い感じがして、働きやすいなと思っています。
2025年7月から、市の移住定住相談員として公の立場で働く蓑手さん。
現在は、お試し住宅の利用希望者への対応や、移住に関する問い合わせへの案内などを担当しています。

自身の経験を活かし、移住を検討する人に寄り添った提案を心がけているそうです。
実際に行政の一員として働くなかで、蓑手さんは「市民の立場から見て、もっと良くできる部分がある」と感じることもあると言います。
たとえば、窓口に行った際にささやかなやりとりや笑顔があるだけで気持ちが少しホッとすることがありますよね。
市の窓口は“そのまちを感じる最初の場所”。
だからこそ、親しみやすい雰囲気があることで、初めて来た方も安心できるのではないかと感じています。
小さなことで、まちの印象は変わる――日々のやり取りの中で、そう実感しているそう。
また、制度や手続きに関しても、「どうすればもっと分かりやすく、初めての方にも安心して利用していただけるか」そんな課題を感じているそうです。
「必要な書類をまとめて教えてもらえたら助かるのに…と思うこともあります。最初に“これも必要ですよ”と一言添えてもらえたら、どれだけ助かるか」と、ご自身もひとり親として数々の手続きを経験してきたことから、利用者の立場に立った情報提供の必要性を強く感じています。
「私のように、起業など特別な理由ではなく、現実的な生活のために帰ってくる人もいると思うんです。だからこそ、生活者の目線で、行政のサポートをもっとわかりやすく伝えていきたい」と蓑手さん。

「楽しむ気持ちを大切にしながら、少しずつ前向きな変化を積み重ねていきたいと思っています。」
そして、力強くこう続けました。
仕事や子育て、生活のために移住してくる人たちが安心して暮らせるように、私が自分の言葉で伝えていきたい。
キラキラした移住のイメージもありますが、まずは安心して暮らせる環境が大切だと思っています。
これまでの経験を通して感じた課題を前向きに捉え、同じようにいちき串木野市での暮らしを始める人たちに安心を届けたい――。
蓑手さんは、そんな思いを胸に、日々の仕事に向き合っています。
「もう戻らない」と思っていた地元で、今は誰かの“新しい暮らしのお手伝いをする”お仕事に就いた蓑手さん。
Uターンをきっかけに、いちき串木野市の魅力と、地域に根づく温かさを再発見しました。
10代の頃に感じていたことと、親になって感じることはまた違ってくるのだとお話を伺って思いました。
後編では、蓑手さんが魅力的だと感じている自然の美しさや交通の利便性、そして“移住定住支援”への想いをお話しいただいています。
この記事を書いた人:
とこ
生まれも育ちも鹿児島の1児の母。子育て奮闘中!寝かしつけながら寝落ちするのが至福の時間。食べることと喋ることが大好き。デジタル音痴ですが、人との交流を大切に、いちき串木野の魅力を伝えていければと思っています。