- 働く
- 挑戦
- 移住
決め手は人の良さと空の広さでした
- 家族構成:独身
- 年代:20代
- 職業:いちき串木野市地域おこし協力隊
今回お話を伺うのは、いちき串木野市地域おこし協力隊として活躍する後藤香音さん。東京の大学を卒業後、新卒で協力隊としてIターンして4年。なぜ見ず知らずの土地であるいちき串木野市に新卒Iターンすることを決めたのか、学生時代までさかのぼって丁寧にお話いただくとともに、協力隊退任後の展望についてもお話を伺いました。
【聴き手=上木寿人(魅力PRライター)、森満誠也(LR株式会社)】
【目次】
まずは今の仕事や働き方について教えてください。
後藤さんはいちき串木野市の地域おこし協力隊として働いているんですよね!?
そうです!
東京の大学を卒業後、教授の勧めでいちき串木野市地域おこし協力隊に応募し、今ここに居ます。
協力隊として移住してきて4年目ですね。
東京から新卒でいちき串木野へ..!?
(経緯についてはあとでゆっくり伺うとして。。)
協力隊として具体的にどんな活動をしていますか?
①英語教育、②イラスト等のデザイン、③CMを作ったりする動画制作の3つをミッションとして活動しています。
幅広いですね!
着任当初からその3つがミッションでしたか?
いやっ、当初は「英語×教育」のみでした。
とあるきっかけでKKBふるさとCM・動画大賞(以下「ふるさとCM大賞」)を手伝ったタイミングから市役所内で「この人には絵を描かせた方が良いんじゃ?」って思ってもらえたみたいです。
英語教育と動画制作の両輪になって、そこから絵を描くことも加わり、3つのミッションになりました。
すご..!!
働き方としては自由にのびのび出来てますか?
かなり自由な環境で働かせてもらってますね。
他の課の仕事も色々と自由に受けられますし、ずっと自分の席に居なければならないっていうわけでもないので、こうやって業務中に打合せでインタビュー受けれたりもしてて。
めっちゃ良いです、いちき串木野市役所。
へぇー!
めっちゃ市役所を褒めましたね、今。笑
先ほど、ふるさとCM大賞の話題がチラッと出ましたけど、2022年にいちき串木野市はグランプリを取ってるんですよね..!!
その時の振り返りの記事、読みましたよ!
めちゃくちゃ赤裸々ですごく面白かったです。
ありがとうございます。笑
2022年のふるさとCM大賞ではアニメーションにチャレンジしたんですけど、めちゃくちゃ大変でした。。
1秒間に10枚の絵を繋げて、30秒間のアニメをCMとして制作したんですけど、いかんせんアニメ制作自体が初挑戦だったので。。
1秒間に10枚×30秒ってことは300枚ってことですよね?
すごい。。
1日20枚以上のペースで描いて、2週間で仕上げました。
2日間ずっと湯気を書き続けるみたいな日もあったりして。
マグロラーメンから立ち上る湯気の感じがなかなか難しくて、唸りながら描いてました。。
ふるさとCM大賞って、一般的には市役所職員の広報担当が制作してるんですか?
そうですね!
本当は公募してるんですけど応募がなく、担当の職員さんが頭抱えて悩んでたんですよ。笑
何か私に手伝えることがないかなと思って、「ちょっと一緒にやりませんか?」って声掛けさせてもらいました。
そしたらまさかのグランプリが取れてしまって、2023年も2024年も一緒にやることになり..(本当は1年目だけのつもりだったんですけど..)
少し話が前後するんですけど、いちき串木野へ移住してくる前の暮らしについて教えてください。
後藤さんって出身はどちらでしたっけ?
今は実家が東京にあるんですけど、父親の仕事の関係で、かなり引っ越しをたくさんする家族だったんですよ。
中学&高校と名古屋に6年間住んでたこともあったりします。
ちなみに大学は東京の女子大へ通ってましたね。
なるほど。
協力隊としての当初のミッションが英語×教育だったと伺いましたが、大学時代は英語を専攻されていた感じですか?
いやっ!
大学で英語を学んだわけじゃなくて、地球市民学科というところで国際的な問いをひたすら教授からぶつけられてましたね。
毎日毎日問いが授業で投げられて「分からん..泣」と思いながらやってました。笑
なるほど。。笑
授業で問いをひたすら考えつつ、英語も独学で学び直したんですよ。
もともと外国の文化や映画が好きだったこともあって。
そしたら、意外と英語が出来るようになってきて!
好きで勉強し始めたら上達するのも早かったんですね!
そうそう!
せっかく英語が出来るようになったんだから「海外でも学んでみたい!」と思い始めて。
授業の一環で短期間カナダへ行ったことをきっかけに、カナダへの留学を決めました。
すごいバイタリティ..
ちなみにカナダでは何を専攻していたんですか?
哲学を専攻してました。
正確には徳倫理学という学問だったんですけど。
哲学&徳倫理学!?
日本語の授業でも難しそうな大学での哲学の講義をカナダで受けるって、想像しただけで頭パンクしちゃいそうですが..
たしかに。笑
でもめちゃくちゃ面白かったんですよ!
(そう捉えらえる感覚が素晴らしい..)
例えば、歴史のようなジャンルだと、解説を聞く講義なので、言語が分からないと置いて行かれると思うんです。
ただ、哲学って「問いの意味」さえ分かればその後の思考は自分の頭の中で出来るじゃないですか?
だから面白いと思えてたのかもしれないです。
なるほど!
その考え方は面白いですね!
カナダに留学してたのはいつ頃でしたか?
大学3年生の秋から4年生の春まで行ってました。
2019年~2020年なんですけど、2020年の春っていうとコロナが世界的なパンデミックを起こした時期で。
日本に帰らざるを得ない状況になり、帰国することに。
なるほど。
じゃあコロナが無ければもう少し長く滞在する予定でした?
コロナが無ければ2019年秋~2020年秋までの1年間滞在予定でした。
でも、言い方難しいんですけど、早めに帰ってこないといけなくなったことによるプラスの作用もあって。
というと?
カナダと日本の大学の授業期間が少し重なっていたのですが、コロナでの早期帰国とオンライン授業のおかげで、どちらの授業も同時に受けれたんです!
なるほど!
ただ、カナダに居ながら日本の大学授業を受けようとすると、時差がありませんか?
あります。
朝から夕方までは日本の授業、朝方3時からカナダの授業みたいなスケジュールでした。
1日中大学の授業受けてるみたいな生活を送ってましたね。笑
バイタリティすごすぎる!
そして、コロナで教育実習が延期になってすぐに就活をしていなかったことから、卒業後の就職先としていちき串木野市の協力隊にもご縁をいただいて。
今の活動につながっているんです。
一見マイナスに見えちゃうことも、そうやってプラスに変換できる考え方が素晴らしいなと思います。
大学卒業後の進路として、なぜいちき串木野市の協力隊になろうと考えたんですか?
大学の教授から紹介されたんですよ。
「鹿児島で面白そうなフィールドワークできる場所があるよ」って。
もともといちき串木野に興味があったわけではなく?
協力隊着任を検討するまでは、正直全く知らない土地でした。笑
正直で気持ち良いですね。笑
そもそもカナダに留学してたってことは、就職先としては海外志向だったわけではなくて?
海外志向でした。
コロナが起きてなくて海外で就職できる状況だったとしたら、海外で留学生を受け入れるコーディネーターのような仕事がしたいって思ってたんですよ。
とにかく英語を扱う仕事がしたかったんですよね。
へぇー!面白い!
ただ、当時はコロナでそれどころじゃなく、とても海外で就職できるような状況ではなくなってしまいまして。
なので、海外っぽい場所であれば正直どこでも良いやって思ってて。
なんか、いちき串木野って海外っぽいじゃないですか?笑
う、、うん。
暖かいし、海きれいだし。笑
海外っぽいっていう理由以外で、いちき串木野への移住決めた要因って何かあります?
協力隊応募前に一度下見に来たんですよ。
その時にいちき串木野市役所の職員さん達とお話する機会があったんです。
そこで話をした職員さんがめちゃくちゃ良い人達で!
人の良さに触れて、移住を決めましたね。
(そこで対応した職員さん達、めちゃくちゃ良い仕事してる..!!)
家の空き状況とかも全然確認せずに応募を決めたんですよ。
「どこか空いてるマンションあるでしょ」と思ってたら、求めてる条件のマンションの部屋が2部屋しかなかったりして。笑
やばい..この2択で決めないといけないのか..みたいなこともありましたね。
ご両親はいちき串木野へ移住することについて、何ておっしゃってました?
「国内じゃん!」って言ってました。
あぁ!海外に行くと思ってたからってことですよね!?笑
「やっぱコロナだから日本で就職なんだね!でも向いてそう!」って言ってましたね。笑
ご両親のその感覚めちゃくちゃ素敵ですし、すごいなぁと思います!
なにか特徴的なご家族のエピソードってあります?
ユニコーンとかサザンが好きな、明るい両親です。
あぁ、ひとつ挙げるとすれば、引っ越しを頻繁にする家族なんですよ。
小さい頃からめちゃくちゃ引っ越しをしてて。
もちろん父の転勤に伴って引っ越すこともあるんですけど、職場変わってないけど近隣に引っ越すみたいなことをしたり。
なるほど!笑
住む場所をカジュアルに変えられるって、フットワークが軽いってことですよね?
軽いかもしれないですね。
私が海外旅行するとか留学するっていう話をしても、「行ってらっしゃい!」っていう感じだったので。
学費や留学費用を含めて両親に出してもらってるので、本当に感謝です。
移住する前にいちき串木野来た際は良い印象だったとおっしゃってたじゃないですか?
そこから4年間暮らしてみて、まちの印象は変わりましたか?
変わらないですね。
良い印象のまま。
うん。なんにも変わってないと思います。
良い印象のまま4年間暮らしても変わってないって、すごいことですよね!
旅行と暮らしって全然違うじゃないですか?
普通、印象は悪い方に転がっていきそうですが。
もちろん、良いことばかりじゃなくてトラブルもたくさんあるんです。
時には関係者の方と意見がぶつかることもあるんですけど、後で冷静になったら「私が悪かったな..」って思うことばかりなんですよ。笑
特に市役所の人たちとたくさんケンカして反省して仲直りして..を繰り返してきてる4年間なので、当初よりも今の方が絆が強くなってるんじゃないかと思ってます。
すごいですね。いやー、すごいなぁ。
お互いの意見をしっかりぶつけた上で意思疎通が出来てるって、素晴らしいことだと思います。
ちなみに、いちき串木野に初めて来た時の第一印象って、何を感じたか覚えてます?
うーん..「空広っ!」だったかも。
そっか!東京からいちき串木野に来たら、そう感じるかもですね!
「広すぎるだろ!」って思いましたね。
東京だと、ビルとビルの隙間に空があるみたいな印象なので。
あと、「電線多っ!」も思いました。
どこで写真撮っても電線が写りこんで、写真がしましまになるんですよ。笑
レトロで好きですけどね。
ちなみになんですけど、後藤さんイチ推しのいちき串木野スポットってどこですか?
やっぱり冠嶽園(カンガクエン)ですかね。
カンフーが好きなので。
(カンフーが好きすぎて少林拳を習おうとしたら少林寺拳法習っちゃって1年でやめた話は、詳しく書くの省きますね。笑)
たしかに冠嶽園って、かなり中国感ある風景ですよね!
そうなんですよ!
冠嶽園の中国風の景色の中で、カンフーシャツを着るとめっちゃ馴染むっていう。
..だれの参考にもならない情報なんですけど。苦笑
たしかに。笑
いちき串木野の魅力っていう括りでいうと、他にどんなことが挙げられそうですか?
お店まで含めるともっとたくさんありますよ!
パラゴンみたいな自家焙煎の珈琲屋さんに日常的に来れるとか。
コンパクトで海にも山にもアクセスが良いとか。
あとは何より人が良いことですかね。市役所職員が面白いっていう。
一番の魅力は人だと思います。
この距離感だからこそ、職員さんたちが親身に寄り添ってくれるのかなと思います。
地域おこし協力隊に着任して4年目ということで、退任後の未来の話を伺えたらなと思っていて。
協力隊の任期が終わったらどんなことをしたいか等、何か考えていることってありますか?
2024年5月に株式会社を設立したんですよ。
自分一人の会社なんですけど、協力隊の活動とは別の副業という形で動かしていて。
すごい!
協力隊の活動を通して、市の色々な部署はもちろん、色々な事業者さんとも接点ができたので、退任後は自分の会社で事業を受託していけたらなと思っています。
私が得意なことでいちき串木野市のみなさんの力になれるようなことがあれば、それを仕事にしていきたいなと考えています。
ということは、退任後もいちき串木野に残って活動を続けようと思っているってことですよね!?
「得意なことを仕事に」っていう考え方も最高だなと思います!
話せる範囲で構わないんですけど、具体的にはどんな仕事を想定されているか教えてもらうことってできますか?
1つ例を挙げるとすると、SNSの運用代行ですかね。
意外と頼まれることが多くて。
なるほど!
全くやり方が分からない方って、思っている以上にたくさんいらっしゃるんですよ。
アカウントってどうやって作るのか分からないっていう方に対して、そこから寄り添って伴走するみたいな形ですね。
あとは、大手企業に頼むより私に頼んだ方が安いっていうのも、ポイントだと思います。笑
「伴走してくれる人の相談しやすさ」とか、「相手のレベルに合わせて丁寧に対応できるか」みたいな部分が地方であればあるほど大切だと思うので、後藤さんはそういう意味で色んな方から愛され、選ばれている存在なんだと思います。
写真も動画も撮れて、ライティングも出来て、絵も描けて、アニメーションまで作れるんだから、そりゃ重宝されますよ。
いやいや!笑
そう思ってもらえるように頑張ります!
最後に、いちき串木野市へ移住してくる人、移住を検討している人に向けて、アドバイスをいただけますか?
今までインタビューに答えてて、私がひとつ危惧していることがありまして。。
というと?
移住のハードルって低い方が良いじゃないですか?
うんうん。絶対そうだと思います。
独特なエピソードが多かったので参考にならないのでは..と思いまして。
あーでも、移住者インタビューって後藤さんだけじゃなくて、他にもいろんな人に取材行く予定なので、大丈夫ですよ!
バラエティ豊かな人が知れた方が良いじゃないですか?
なるほど!
じゃあ、独特枠で私は入れといてもらえるとありがたいです。笑
私は市役所にいるから考えてるだけで、移住を検討している方は、別にCM大賞に応募したり、市のために特別なこと出来るかみたいなことを考える必要全くないんですよっていうことだけは伝えたいです。
間違いないです。
地域おこし協力隊の職業柄、後藤さんの場合はたまたまそういう話が多くなってしまっているだけっていうことですよね?
そうなんです!
移住者インタビューって、すごい人ばっかり登場しがちじゃないですか?
お店オープンするために移住しました!とか、サーフィンがしたくて移住してきました!とか。
「普通の人はそんな理由で移住できないでしょ!」みたいに思っちゃいますもんね。笑
キラキラした理由じゃなくても、通わせたい学校があるとか、こういう環境で子育てしたいとか、良い立地に空き物件が出てるとか、そんな理由で全然大丈夫というか。
そうそう。
私なんて教授から紹介されてホイホイ移住してきたぐらいの感じなので。笑
移住ってそれぐらいの理由で大いにOKだということが伝わればいいなと思います!
実際に移住してきた後藤さんの口から出た言葉なので、すごく説得力ありますね!
今回は面白い話をたくさんありがとうございました!
移住インタビューとは思えないぐらい身の上話をしてしまった気がしてて、どんな記事になるかめちゃくちゃ不安です。。笑
でも、楽しかったです!
ありがとうございました!