
【サッカー教室開催】小学5年生から始まった、堂園さんのサッカー物語
2025年8月11日にいちき串木野市で、元プロサッカー選手の堂園彩乃さんこと「どうちゃん」のサッカー教室が行われました。
いちき串木野市には実はプロスポーツ選手をたくさん輩出されていることをご存知でしょうか?
プロ選手から学べるのってすごい贅沢ですよね!
誰から学ぶのか?ってすごい大事です。
この日はおよそ120名のサッカーをする小中学生がいちき串木野市総合体育館へ集まりました。

サッカー教室では、堂園さんががサッカーを始めたきっかけから、大きな挫折、そしてそこから学んだことまでをお話しいただきました。
そもそも今回のサッカー教室が開催された経緯は、市来出身の堂園さんから「地元のサッカーを頑張る子供達にぜひサッカーを楽しむ機会を!」と打診があったことがきっかけで。
サッカーは一番最後の習い事
堂園さんは小学5年生になるまで、サッカー以外にもバレーボール、バドミントン、習字、そして英語と、合計5つの習い事をしていました。
でも、サッカーはそのどれよりも後に始めたんです。周りの子は小学校低学年からやっている子が多く、正直「遅すぎるかな…」と感じたくらい。
当時、女子のサッカー人口は今よりずっと少なくて、学年でもサッカーを習ってる女の子はほとんどいませんでした。
そんな中、同級生のレミちゃんが「一緒にサッカーやろうよ!」と誘ってくれた言葉がきっかけとなり、サッカーを始めようかなと思い始めます。
さらに、元バレーボール選手である父の同級生が地元サッカーチームの監督をしていたこともあり、「1か月だけ試しにやってみよう」ということに。
その1か月で、堂園さんはすっかりサッカーに夢中になってしまったのだそう。

雨の日も、トンネルで自主練習
サッカーを始めてからは、毎日が練習の日々。
家の前の道路や、近くにあるコンクリート製のトンネルが堂園さんの練習場でした。
壁に向かってパス練習、ボールを高く上げてリフティング、ドリブルの繰り返し…。雨の日でもトンネルなら練習できるので、天気に関係なくボールを蹴っていたそうです。
「もっと上手くなりたい」
その気持ちだけで、時間を忘れてボールを追いかける日々。辛さよりも楽しさが勝っていたとのこと。
中学で見つけた夢
中学に進学すると、部活を選ぶ時期がやってきました。バドミントン部や書道部もありましたが、迷わずサッカー部へ。
やっぱり一番好きなものを選びたかったんです。
と、堂園さんは語ってくれました。
そんな中学2年生のある日、授業で「将来の夢を考えよう」というテーマが出されました。
ノートに書いたのは、はっきりとした一文。
「なでしこリーグの選手になりたい」
そのとき初めて、堂園さんの夢が明確になった瞬間でした。

全国大会での大きな挫折
中学2年の夏、鹿児島県女子選抜として九州大会に出場し、優勝。勢いそのまま全国大会へ。
1回戦、2回戦、3回戦と勝ち上がり、準決勝へと進みました。
試合は延長戦にもつれ込み、「先に1点を取ったチームが勝ち」というゴールデンゴール方式。
延長戦の最中、センターバックとして守備をしていた堂園さんのもとに、左足側へ転がるボール。右利きの私は必死で左足でクリアしようとしましたが、キックミス。相手にボールを奪われ、そのまま決勝点を許してしまいました。
試合終了の笛が鳴った瞬間、涙があふれた堂園さん。
「自分のミスで負けた…」という悔しさと、仲間や監督、応援してくれた家族への申し訳なさで胸がいっぱいになったという堂園さん。
どう乗り越えたかというと。。。
挫折がくれた宝物
その出来事は大きな挫折でしたが、同時に「弱点を克服するチャンス」でもありました。
堂園さんは左足の練習を夏休み中ひたすら続けました。
壁当て、ドリブル、トラップ、パス…すべて左足中心で。
単調で地味な練習も、あの日の悔しさがあったからこそ、やり抜くことができ、両足で蹴れる選手へ。
そして、この経験はただの技術向上にとどまらず、失敗から立ち直る力、夢に向かって努力を続ける強さを与えてくれました。
「夢を持つこと」「諦めないこと」
あの日の試合は、堂園選手にとってただの敗戦ではなく、人生を形づくる大切な出来事になったそうです。

堂園選手は、中学校を卒業後、神村学園に進学し、高校でもサッカーを続け、18歳で浦和レッズへ。
2010年にはU-20日本女子代表としてFIFA U-20女子ワールドカップに出場。頭脳的なプレーでチームを支え、2度のリーグ優勝を経験。その後、スペインのチームへ。
出産後に日本へ戻り、現在は会社員として働きながら、サッカースクールのコーチもしています。
また、自身の経験をもとに、小学校に出向き、日本サッカー協会公認「夢先生」として講座も行なっています。

堂園彩乃さんのインスタグラムはこちら
https://www.instagram.com/ayanodozono/
編集後記
今回、堂園さんのサッカー教室を取材させていただき、地元の小学生にとって、堂園さんの経験から小さな町からも、夢を追い続け、世界で活躍できることや、挫折しそうな経験があってもあきらめない心があれば乗り越えられることを聴き、小中学生とともに、素敵な経験をさせていただきました。

小学生のうちから、すてきな講師の先生から直接指導を受けられる機会って贅沢だな~とちょっと羨ましくもあり。。。(私も小学生のうちにそんな機会に出会いたかった!)
いちき串木野市には日本や世界で活躍している人も多いとのことで、恵まれた地域なのだなぁと改めて感じた時間でした。
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この記事を書いた人:
ちらん男の子二人の母であり、元看護師。現在はフォトグラファーとして活動中。
2020年に20年ぶりにいちき串木野市に帰ってきました。
いちき串木野市の新たなみりょく、変わらないみりょくをお伝えしていきます。